看護師によるエンゼルケアについては様々な意見がある。必要だと思う人もいれば、必要がないと思う人もいるのだ。しかし、闘病生活が長ければ長いほど、肌や髪が衰えてしまうケースは多い。亡くなった人をできるだけ元気な時のようにキレイにするのがエンゼルケアだ。多くの病院では看護師がエンゼルケアに当たっている。病院ごとにマニュアルが設定されているが、亡くなった本人やその家族の希望にできるだけ寄り添うことが必要だとされている。看護師が一方的なイメージでエンゼルケアを行ってしまうと、生前とは違った雰囲気になってしまい家族らが違和感を抱くケースもある。
患者が人工呼吸器などを使用していた場合には、それらの管の跡などをキレイにするのもエンゼルケアの一部である。メイクは顔だけではなく、全身に及ぶのも特徴だ。家族の意見を取り入れるため、エンゼルケア時に家族に同席してもらうケースもある。ただし患者の排せつ物などを処置や眼内ケアは家族によってはショックを受けることが多く、細かな配慮が必要だ。エンゼルケアは死後のにおいを防ぐためにも必要であるという事前説明も怠ってはならない。また死後硬直が始まる死後3時間~6時間の間にエンゼルケアを施さなければならないが、その中でいかに家族とのお別れの時間を作るのかも課題となっている。
このように看護師が行うエンゼルケアは必要性があるものだが、亡くなった人の家族の気持ちを優先しなくてはならない。そのため声掛けなどのタイミングが難しいという問題を抱えている。看護師には柔軟な対応が必要なため、こちらの『エンゼルケアを紐解く』のようなサイトを読んでエンゼルケアについて事前に学んでおくことが大切だろう。